現在のマンガ展において決定的に不足しているのは、マンガ研究の知見を展覧会に反映しようという発想です。特に、現在のマンガ研究のメインストリームにおいて重要な研究分野と言える「マンガ表現論」の成果が十全に生かされたマンガ展は、きわめて少ないと言えます。「マンガ表現論軸」による分類は、マンガ研究、特にマンガ表現に注目するような視点から展覧会が構成された際に、そうした観点を表現するための展示手法が参照されることを想定したものです。
作品の’キャラ’をみせる展示
マンガ作品に描かれた絵それ自体を鑑賞させる展示。
マンガ作品の解釈を呈示するような展示。
マンガ作品の原稿を見せる展示。
マンガ作品の紙面でのコマの配置、コマの展開、コマ内に描かれた人物等のアングルを意識させる展示。
作家の創作現場や作家のライフヒストリーを理解させる展示。
作品の中で重要なシーンを切り取り見せる展示。
マンガ作品のストーリーを理解させるような展示。
マンガ作品に用いられた背景資料等を見せる展示。
マンガ作品が出来上がる過程を示す展示。
マンガの舞台となる世界を呈示するような展示。
マンガ作品の名台詞や特徴的オノマトペなどの文字を読ませる展示。
マンガ作品をマンガとして読書させる展示。