「マンガ展のしくみ」のしくみ

ここは、近年急速に増えつつあるマンガに関する展覧会をより深く理解するための視点を提供するウェブサイトです。特に、マンガ展を制作することになったマンガ関連文化施設の関係者、美術館・博物館の学芸員といった方たちにとってヒントになるような展示手法のアイデアを提供できれば、という発想で作られています。

具体的には、過去に開催されてきたマンガ展を、展示手法に注目した上で分類し、展示風景の写真とともに紹介しています。展示手法の分類は、「感覚軸」、「マンガ表現論軸」、「博物館学軸」、「空間軸」という4つの〈軸〉をもとに作られています。例えば、「マンガ表現論軸」であれば、「ストーリーを理解させる」/「作家をみせる」/「世界に連れて行く」/「絵をみせる」…といった展示手法の分類が設定され、それぞれに具体的な展示事例がひもづいている、という構造です。

このサイトは、マンガ展名、分類された展示手法名、展示手法に対応した展示写真は相互にリンクし、どの項目からでも検索、ソートすることができるように構成されています。例えば、(マンガの)「ストーリーを理解させる」ということを目的とした展示を作りたいと考えた場合、それに対応した具体的な展示実例を、写真で参照できる、というわけです。

逆に、展覧会名や具体的な展示写真からも展示手法の分類名を参照できるようになっていますので、どういう目的を持った展示なのかを理解することもできます。その意味では、単にマンガ展を作りたいと考えている人たちだけでなく、マンガ展に訪れることを楽しんでいる人たちにとっての「鑑賞ガイド」にもなっているはずです。

マンガ展の質の向上は、さまざまな視点で展覧会を鑑賞し、批評する人たちの存在によってこそ保証されると考えます。「マンガ展評論」というコーナーもありますので、そちらもご参照ください。

 

企画・運営 マンガミュージアム研究会

監/管理 榊原充大

ウェブデザイン 阿部研二

 

本サイトは、科学研究費助成事業基盤研究(学術研究助成基金助成金)基盤研究(C)「文化施設におけるマンガ展示手法の共有のためのツール開発に向けた研究」(研究課題番号15K01152:代表・伊藤遊)の成果の一部である。

マンガミュージアム研究会
(文責:伊藤遊19.3.31)

《このサイトが作られることになった社会的背景や目的の詳細について知りたい方はこちら》

メンバー

伊藤 遊=イトウユウ

  • 京都精華大学国際マンガ研究センター 研究員
  • マンガ研究・民俗学

谷川竜一

  • 金沢大学 助教
  • 建築史

村田麻里子

  • 関西大学社会学部 教授
  • 博物館学・メディア研究

山中千恵

  • 京都産業大学 現代社会学部 教授
  • マンガ研究・社会学