2017年総評

世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画
2016年11月1日(火)~2017年2月19日(日)
国立科学博物館

THEドラえもん展 TOKYO2017
2017年11月1日(水)~2018年1月8日(月)
森アーツセンターギャラリー

しりあがり寿の現代美術 回・転・展
2016年7月3日(日)~9月4日(日)
練馬区立美術館
2016年9月17日(土)~11月6日(日)
刈谷市美術館
2017年1月14日(土)~3月5日(日)
伊丹市立美術館

今年も数多くのマンガ展が開催された。2万年前の洞窟壁画を紹介する「ラスコー展」もマンガ展として見ると、色々発見があった。

「THEドラえもん展 TOKYO2017」も話題展のひとつ。「ドラえもん」をテーマにした28組の現代美術作品が並ぶ同展は、02年の「THEドラえもん展」の“続編”だ。この15年は、現代美術がポピュラー文化になっていく過程だった。「THEドラえもん展」や、同じコンセプトの「GUNDAM展」(05年)が、マンガやアニメを介して、現代美術を幅広い層に紹介したからだとも言える。

ならば今度は、現代美術がマンガをどう揺さぶるかを示すべきだが、今回の展示ではそれは感じられなかった。一方、圧倒的な魅力を発していたのが「しりあがり寿の現代美術 回・転・展」。文字通りマンガで美術をひっかき“回”そうという意欲に満ちた興味深い「マンガ/現代美術展」だった。

[初出=2017年12月15日『朝日新聞』(大阪版)夕刊「いまどきマンガ塾」]